ドイツやフランスのバレエ団の給料とシビアな契約事情

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日本のバレエ団では基本的に多くの場合、生活ができないし収入が安定していないことは随分ここで話しているので、それでも職業舞踊手となることは尊敬に値することと個人的に考えます。

だから最近海外の大きなバレエ団で安定した収入と、職業として認められているダンサーの地位の現状を少しここに述べておきます。

社会的地位

ドイツやフランスのバレエ団の場合、市立、州立、国立によって雇用主のは違ってきますが、基本国公立の管轄なので、公務員としての地位に値します。

ダンサーたちの生活も全て法律で細かく保証されていると同時に、1つの「職業」として成り立っているので、当然企業のように細かい規則がいくつも決まってます。

当然これらのルールにそぐわないと、罰則や解雇になるので注意が必要です。

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バレエ団内との契約と契約期間

バレエ団はエトワール/プリンシパルからコールドまで契約書の内容が違く、当然お給料も上の地位になるほど高くなります。

今は更新1年毎がほとんど。

ドイツのバレエ団の場合、お給料は基本的に1年=13ヶ月分のお給料が支払われます。

1年=12か月ではないの?って疑問に思うかもしれませんが、この1か月分は長期休暇分のお給料が確保されているということです。

現時点ではフランスのパリ・オペラ座の場合、12か月分のお給料の中に長期休暇料もプラスされて支給されています。

次年度のダンサーとしての雇用を更新できない場合、解雇勧告が書面で言い渡されるので、それからすぐに次の雇用先をさがしにオーディションを受けなければなりません。

ここがシビアですね。外国で生活ができなくなってしまったらアウトです。

日本であればとりあえずバイトで生活をつなぐこともできますが、ドイツでは小さいジョブでも面接から採用まですごく時間がかかるし、日本人という外国人扱いなのでたとえカフェやレストランであっても雇用されることもかなり困難です。

ディレクターの変更で、ダンサーが一気に交代することもありますからね。日本のバレエ団はそういうことはめったに起きないので、安心っていえば安心ですね。

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正団員、ゲストダンサー、研修生の雇用契約も内容が違うます。

また正団員の中でも、プリンシパル~コールドまで契約内容もお給料もかなり違ってくるので注意が必要です。最低給料のコールドは、毎月何とか暮らしていける程度のお給料ですから。

パリであれば、オペラ座のカドリーユ(コールド)はパリ市内で小さな1Kほどのアパートでも物価高で生活が困難なので、よくバレエダンサーたちでシェアして共同生活しているのが現実です。パリでは月20万あっても暮らしていくのは非常に厳しいです。

  • ゲスト出演
  • 最初の契約にはない役に就いたとき
  • 追加のリハ代

これらは随時基本給にプラスされて支払われます。

目次

ドイツやフランスのバレエ団の給料とシビアな契約事情まとめ

 海外のバレエ団では解雇されると次の雇用先をみつけるのはとても大変です。

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解雇の時期

ドイツの場合は、毎年秋(10月頃)がバレエ団の雇用を更新できるか、解雇を言い渡される時期です。

ここで解雇を言い渡されとそれからバレエ団の空きを探さなければいけないので、けっこう厳しいですよね。だって、この時期はほとんどのカンパニーで雇用される人は決まっているんですから。まるでバクチのような人生です。

他にも細かいバレエダンサーならではの雇用の際の規定があります。これらについてはまた次回詳細を記します。

日本のバレエ団だけでは生活は成り立ちませんが、海外の国公立のバレエ団の雇用契約とは違い、解雇になる不安に脅かされることもなく、バイトもすぐにみつけられるので、日本のバレエ団でもいいのではないかなと個人的に感じます。

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